三河屋ヤンゴンBLOG

日本食デリバリー「三河屋ヤンゴン」を運営する店長がヤンゴンの日々を綴ります!

ヤンゴン在住の方へ推奨本【社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう】

こんばんは。@三河屋ヤンゴンです。

駐在員のためのブログへようこそ。

今では、AmazonのKindleアプリさえ使えば、海外にいても、スマホで、日本と同じように読書が出来ます。

ひと昔前は、日本から来る出張者に、本のハンドキャリーをお願いしていましたよね。

さて、本ブログでも、僕の推奨本を、少しづつご紹介していきたいと思います。

あまり自分の趣向に偏らず「駐在員の方にオススメできる一冊」を厳選していきたいと思います。

皆様も、駐在生活が疲れましたら、読書でリフレッシュするのも一つの手だと思います。

【目次】

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! (だいわ文庫)

【書評】社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう

さすが、Chikirinさん(著者)という1冊です。

有名ブロガーの彼女が、50カ国以上も旅をした時に、行き先で感じたことを、コラム形式でまとめられたものです。

第10章「豊かであるという実感」では、ミャンマーとインドが描かれており圧巻です。

ネタバレですが、僕が考えさせられた箇所だけかいつまんでご紹介します。

ミャンマー(自由という豊かさ)

著者(女性)が、ミャンマーのお金持ちの家に招かれました。

ビルマ男性は言います「お金も、家も、車もある。俺と結婚しないか?」と詰め寄られますが、しかし、著者は、このビルマ男性より自分のほうが豊かだと感じました。

なぜなら、当時、ビルマ経済制裁を受け鎖国していたので、彼が持っているビルマ通貨は、海外旅行にもいけないし、輸入品も買えない。

著者は、日本のパスポートがあるので世界のどこへでも自由に行くことができるのです。

ビルマ人はいくらお金があっても外に出られなかったのです。

「何を持っているか、ということが、これほどまでに豊かさとは無関係なのだ」と気がついた瞬間でした。「家や車やお金なんて持っていても、私の生活は決して豊かとは言えない。豊かな人生というのはあなたのように希望や自由や選択肢のある人生なんだ」と、彼は言いたかったのです(本書抜粋)

本書は、2012年より前に書かれたもので、尚且つ、著者がビルマを訪れたのは、もっと前だと思われます。

今では、鎖国状態から開放されつつありますが、それはヤンゴンなどの都心部だけです。

mainichi.jp

ロヒャンギャ族が住む西側ラカイン州は、まだ外国人も自由に入れない鎖国状態であります。

政府軍の迫害を恐れて70万人近い難民が発生しています。

すぐ近くのヤンゴンで、僕達が、物質的な豊かさ(日本食を食べたり、運転手付いたり)を謳歌しているときにも、隣町では、生き残るために、必死になって難民生活を余儀なくされている人たちもいます。

言い出せば、きりがないのですが、豊かさとは何かを考えさせられますね。

インド(格差が意識されない社会)

著者が、インドに旅行した時ある光景をみました。

三輪自転車(リクシャー)の後部座席に乗る、小学校3年くらいの身なりの良い女の子3人です。

お揃いの紺色のスカートに白いシャツの制服、髪には可愛い飾り付きです。

アイスバーを食べながら楽しそうにしています。

しかし、その三輪自転車を引いているのは、同じぐらいの年齢の少年で、ガリガリの体に上半身裸で、下半身だけ布を巻いています。

体は、砂と汗まみれで、歯を食いしばりながら暑いなか自転車を漕いでいます。

別に、後部座席の女の子が悪くて、引いている少年が悪いわけでもありません。

どちらも、違和感がない「ただの日常」なのです。

日本でも最近よく経済格差の存在が問題視されます。それは多くの人が「格差」を意思しているからです。そしてその「格差の認識」こそが、日本が豊かな社会であることを示しています。「学校に行く子供」と「働く子供」がいる社会は、豊かな社会とはいえません。けれどもっと心が痛いのは、それを日常に受け入れてしまっている子供であり、社会です(本書抜粋)

「虐待」もそうです。
日本で、虐待がクローズアップされだしたのは、ここ十数年くらいだと思います。

実は、統計を取り出して、報告される虐待件数は増え続けているのですが、それは虐待自体が増えたのでなく、虐待というの認知が広がったからだと言われています。

自宅のお隣で、子供が泣き叫ぶ声が聞こえれば「虐待かな?通報した方がいいかな?」となります。

一昔前は「子供が悪い子として叱られたのだ」と、スルーされていたのだと思います。

虐待も社会認知がないと目に見えてこないのです。

 

「男尊女卑」もそうです。

サウジアラビアでは、先日やっと、女性に車の運転が認められました。

mainichi.jpイスラム教を厳格に守った結果、女性が自分で外に出歩くのは、他の男性との不貞行為を誘発し、社会を乱すという解釈がされていたのです。

信じられませんよね。

特に途上国は、今だに「男尊女卑」「格差」「虐待」「差別」など、これらバッドワードに、そこに住む人や、社会自体が気付いていない、普通の日常の風景と化してしまっています。

お金があるとか、モノがあるとかでなく、これらバッドワードに、気づくことができる日本の社会。

インドやミャンマーサウジアラビアと比べて、日本がいかに豊かであるのかが分かりますね。

 

皆さんのオススメの一冊がありましたら、是非とも下記のコメント欄にいただけましたら嬉しいです。